斜度に対する尺度を持とう

ヒルクライム(坂道)に苦手意識がある人は、普段はどんなコースで練習していますか。
ただひたすら数キロの登りを攻めたりしていませんか?
それも悪くはないでしょう。
でも、目の前に続く坂道をひたすら登り続けるのって辛くないですか?
坂道に対する苦手意識を克服する手段として、斜度に応じた走り方を覚えるのも一つの方法です。
そのためには、「斜度◯%」と聞いた時に、「ああ、あのくらいか」という尺度を持つことが大事です。

繰り返すことで体得

斜度の尺度を持つには、何度も繰り返して体得するしかないと思います。
当然と言えば当然ですが。
例えば、斜度10%の坂道があれば、それを1日の中で2〜3回繰り返すのです。
でも、普通に走っているだけでは、狙った斜度、かつ程よい距離の坂道って、そうそうなかったりもします。
なので、自分の脚力に見合った周回コースを作ることをオススメします。
「自分の脚力に見合った」というのは、一度登って燃え尽きるのではなく、脚休めを挟んで再チャレンジできるような、ということを意味しています。

斜度15%くらいなら50m〜100mくらいのコース

15%の勾配とは、見た目にもその過酷さがわかるレベルの傾斜です。
初めて行ったコースだと、「これ、どれだけ続くか分からない」と途中で足をついてしまいそうになるかもしれません。
そんな勾配を数キロに渡って登るのは非現実的ですね。
かといって、50m未満では斜度を体得するには至らず・・・。
もっと言えば、激坂を克服するためのコツも身につきません。
では、適切な距離はというと、僕は50m以上、100m未満だと思います。
これくらいであれば、「もしかしたら、もう無理かも?」と感じ始めるくらいにクリアし、10分以上の脚休めを挟んで再チャレンジできるはずです。

斜度10%くらいなら500m程度のコース

斜度10%は、ちょっときつそうに見えてくる勾配。
だらだら登りから徐々に勾配がキツくなるパターンのやつです。
「さっきまで5〜6%だったのに、いつの間に?!」的な。
この場合、200mくらいだと完全に物足りないだけで終わってしまいます。
斜度10%は一つの基準だと思うので、もう少し長い距離でしっかり体感しましょう。
となると、やはり500mくらいは欲しいところ。
脚はそこそこ残っていても、息が上がり始めてからもしばらく続く、「ちょっと手強いな」という距離はこれくらいでは?

斜度を体得しつつペダリングのコツも習得

10〜15%程度の登りだと、最初の100mくらいは脚が残っているので、とにかく「踏んで踏んで」という感じ。
ここで登り坂が終わってしまうと、「あ、しゃかりきに踏めば行けるんだ」と誤った認識を持ってしまうかもしれません。
大事なのは、効率的に登っていく走り方を身につけること。
10%以上の斜度を一定のケイデンスで、ゆっくりでも坦々と登っていける走り方を目指しましょう。
コツとしては、両脚で均等にパワーをかけながらペダルを回すこと。
パワーメーターがなくても、これくらいの斜度だと利き足がけっこう分かります。
利き足にかかる負荷が大きくなり、片方だけが先に疲れてしまいます。
これにより、自分のペダリングのクセを把握できるので、登り始めの段階から「両脚均等に」を意識しながら改善するよう心がけましょう。

コース作りのポイント

周回コースが望ましいですね。
折り返しコースも悪くはないのですが、繰り返すうちに新鮮味が薄れてきます。
また、坂道でちょっとふらつくこともあるかもしれないので、交通量が少なく、そこそこの道幅がある道路を選ぶことも大事なポイントです。
では、どんなコースが理想的か?
尾根幹ライダー限定になってしまいますが、僕のオススメコースを紹介しますね。

尾根幹沿いの斜度15%周回コース(小野・浅間神社の坂)

小野神社前の三叉路を起点とし、南野ゴルフ手前まで登り、多摩丘陵病院の坂を下る周回コース。
最大斜度は17%で、13%〜15%の登りが100m程度続きます。
特に、浅間神社の鳥居手前あたりから勾配がキツくなりますね。
なかなか登りごたえのあるコースです。
交通量は少ないのですが、工事のためか大型トラックが時々通るので、そこは注意が必要です。

尾根幹沿いの斜度10%周回コース(多摩丘陵病院の坂)

これは尾根幹ライダーにはお馴染みかもしれませんね。
日大三高に続くさくら通りを起点とし、セブンイレブン多摩南野店まで登り、大妻女子大裏の坂道を下って、最後にダメ押しで日大三高の坂を登るコース。
谷合電気研究所の信号あたりから徐々に勾配がキツくなり、多摩丘陵病院あたりから8〜10%程度の坂道が続きます。
傾斜変換点が分かりにくいのですが、それが却っていい練習になると思います。
10%の斜度に突入するまでサイコンと睨めっこしながら、その変化を体で感じ取れるよう意識しましょう。
なお、大妻女子大裏の坂は道幅が狭いので、下るときは車両に十分注意して下さいね。